カテゴリー別アーカイブ: 林業・林政

大事な政策

昨日は森林環境税創設連盟の理事会があり出席した。 会長のあいさつでは我々の運動が約20年にもなり、やっと昨年末の政府税調などの審議を経て、100億円の二酸化炭素排出対策に充当されることになった。 しかし我々の連盟からすると、森林の及ぼす環境対策に充てるようにするための連盟創設であり、それぞれの目的が関係省庁によって大きく方向が違っておることは承知していたが、現実に二酸化炭素排出規制に関する京都議定書に基づく国際条約批准実現にはかなりの困難があるようだ。 税を納めるのは産業界であり、それを活用するのが国においては、通商産業省、財務省であり、総務省、林野庁、環境省となる。 そうなると、税の利用する目的が違ってくることになり、思惑もあることになる。 そうした現実対策が今年の12月の政府税制調査会などで決まることになりそうであるが、これから2年後ぐらいにはほぼその方向が決定することになりそうである。 やはり、税制は難しいとは思っていたが、こんなにも複雑であるとは思っていなかった。 各省庁の力関係と議員の影響力も大いきように感じられるし、知恵の出しどころでもあるようだ。 終わって、秋田に戻り、町村会の正副会長会議に出て、すぐに、岩手県副知事と野田村の村長さんが、がれき処理が一段落したことにより、秋田県内で協力した8市町村長にお礼のご挨拶に見えられた。 大変なご苦労をされたようですし、今なお震災後の対策に追われる日々で、大変なことであると思った。 とにかく、海岸線には住宅建設は認めず、高台移転と津波の際には逃げることが絶対必要であることが強調されていた。いかなる施設を作って完璧はなく、コンクリートも30年も経過するともろくなり、ほとんど返し波でやられてしまう現実がある。 その点、盛り土は30年もする非常に強度が出て強いことが強調されていた。7初めてそうしたものかと改めて感じたところでした。 そのあと、秋田県と市町村の政策協働会議があった。 市町村からの提案事項、県からの提案事項などを協議しあい活発な議論が行われた。 提案事項の中には、かみ合わない部分もあったし、その意図するところの根本的な理念の違いみたいなものあったように感じられた。 案件の中には、まだまだ詰めなければならないものが多く、検討会、勉強会、協議会などで当面協議していくことになりそうである。 どこか、半煮えの議論のように感じられた。 私からは、災害時におけるラジオ放送の重要性と秋田県内での不感地帯の確認と対策についての提案をしたところでした。 これは、情報対策の共同運用が県から提案されたことと合わせて、災害時の情報収集にはラジオ放送がやはりより重視すべきであるとの立場からの提案したところでした。 やはり、秋田県としては、不感地帯はないとの認識であったがそうではないことを理解していただきたい点からの提案でもある。

林地残材活用

化石燃料の枯渇が懸念され、さらには原発のチエルノブイり事故以降その安全度と使用済み核燃料の処理対策の遅れ、投資効果などが大きくクローズアップされる中で、新たなエネルギー対策の必要性が望まれている。 太陽光、風力、木質バイオマスがその主要なエネルギー源であろう。 私どももその必要性については強く感じておおよそ10年ぐらい前からその対応に取り組んできたところです。 環境に優しいい村づくりの立場からもその重要性は今後も取り組んでいかなければならないことになると考えている。 そんな折、横手市森林組合と(一般財団法人)石炭エネルギーセンターの共催で、「降雪山間地域の未利用バイオマスを利用したトリジエネレーションシステム実証事業」のお披露目会が10日にあったのでお邪魔した。 この種の現場を視察するのは初めてのことであり、近くでこうした取り組みをされていることはいよいよ我々の地域でも大きな関心が現実のものとなってきており、さらに降雪山間地域を抱える地域での取り組みに大きな期待感もあるし、関係者の皆さんに感謝したいものである。 この、実証事業の目的は、未利用木質バイオマスの利用、電力、熱、バイオコークスを生産するトリジエネレーションシステムの構築をし、二酸化炭素削減効果や事業性・採算性、他の地域への波及性並びに地域づくりへの貢献性などを検証するものでした。 事業は横手第2工業団地に山口県で実験したプラント(平成18~23年度までNEDOが実証実験したプラント)をそっくり移設し10トン/日ガス化コジエネレーションと0・3トン/日バイオコークスを製造、その原料として、市内から算出される10/日未利用木質バイオマスの収集して納入しながら2年間のプラント実証実験を行い、各事業効果を検証するものとなっている。 実証フィールドとしては、地域内に豊富なバイオマス資源があること、100km圏内に石炭火力発電所がない未利用間伐材や林地残材の減少によって森林の整備が進む一方、豪雪地帯であることによる降雪期のプラント運転の課題、バイオマス発電事例がない、ことなどがあげられる。 こうした事業内容を実証実験するもので、本格的な実証プラントを見学するのは初めてであり、実に効率的に考えられているように感じた。 実証実験であることから、そのプラントのすべてが無駄なく試験の過程から生産される熱源のすべてを活用できるように実に無駄なく設計されておるように感じた。 その効率性を追求するのは、実証プラントであることから当然であるとしても、それが実際のプラントとしてうまく機能し生産に直結してくれればよいと願いたい。 それにしても、このプラントは解体される計画であったものを要請によって移設されることになったようであるが、こうした新たな実証実験には大きな投資が必要であり、そうした経過を経て企業化されていくことになるのでしょう。 これが一般企業では、自社の経費で開発経費として実験され新たな商品開発が行われてるのでしょうし、エネルギーなどという分野ではこれは、国家レベルでの課題でもあるのでしょう。 同時に、我々からすると第一義的には、林地残材の利活用といった分野での効果に期待するところであり、今回のプラント運用も、周辺地域としても木質バイオマスの提供としての役割に期待したいし、そのバイオコークスのみならず、ペレットストーブやボイラー燃料などにも波及してくれればと願っているところである。 こうした試みに大いに期待したいものである。

森の名手・名人

image 緑化推進の会議でいろいろな名手・名人がおられるものであることを知った。 (公社)国土緑化推進機構が林野庁後援のもとに主唱している「もりのくに・にっぽん運動」として、”森や山に係わる生業のうち、優れた技をもってその業を極め、他の模範となっている達人”を、毎年「森の名手・名人」として認定しておるもので、平成24年度は秋田県からは仙北市の浅利さんが、森づくり部門「造林手」で認定された。 その技の種類が私は大いに関心を持った。 平成14年度から秋田県だけでも次のような技があった。 造林枝打ち、カバ細工、やまいも掘り、かまくらづくり、炭焼・炭窯づくり、山菜採り、樵・造林手、桶・樽職人、曲げわっぱ、イタヤ細工、マタギ、草木染め、御矢師、野鍛治、樹木医、和太鼓づくり、木製建具士、キノコ採り、苗木生産、山刀鍛治、マイタケ栽培、紙漉が秋田県では認定されていた。 えっ!と思う内容であったり、これなら我が村にもいるのではないかと思い浮かぶ名手・名人がおるように直ぐに感じた次第でした。 いろんな工夫をしているものですねー。 それぞれの団体の生き残りをかけてでしょうか? いやいや、そうではなく、埋もれている方々の発掘と森林林業の活性化を計る為であると考えるのが自然であると思う。 それにしても、どう転化するとこのように認定されるんでしょうなー? 柔軟な考え方で認定しているのでしょう。 とても大事なことであり、こうした発想を持ち続けたいものです。 参考になりました。

またぎ料理

好天の昨日、マスターズスキー大会の第2戦目、絶好の大会日和となって選手も気持ちよくレースに臨んでいました。 その好天の中、東成瀬村の猟友会の皆さんが恒例の「巻狩り」を行い、数匹の山ウサギを手にしてきた。 その猟の成果の話を聞きながら、今年初めての山ウサギの料理をごちそうになった。 毎年、ごちそうになっているが、山を数時間かけて難儀して得た獲物を、こちらはただごちそうになるばかりで申し訳ないような気がするが、何とも言われないごちそうで、感謝しながらいただいている。 特に、ウサギの小腸だそうですが、丁寧に洗い流し、もろみを付けた料理は絶品であるし、背肉の刺身、レバーの刺身も甘みがあって、とてもおいしい。 何よりもぶつ切りにした骨付きの肉と大根の鍋は、煮込むほどに味がしみ込み、何とも言われない甘みと骨からにじみ出る髄液とがまじりあってであろうがその味はどんな鍋にもない独特の味となり、箸を止めることができないくらいである。 そんな至福の時間は、ハンター特有の自慢話と相まってとどまることがない。 かっては、これにウサギあぶりの肉もごちそうになったことがあるのですが、これは最近は面倒なこともあってか、なくなってしまった。 とにかく、山郷のこの料理はほかのどこに行ってもごちそうになることができない。 料理の仕方は、地域によっていろいろ違いがあるようですが、私は慣れ親しんだこの地域の料理がたまらなくおいしい。 終わりに近くなって、今日の獲物の「競り」が始まったところで帰ったが、元気にせり上げて景気をつけていたようでした。 山を愛し、自然を愛し、狩猟を楽しむ人々がこの地域には少なくなったとはいえ、まだまだいる。 一定のマタギのしきたりをしっかりと受け継ぎ、後世に伝えていってほしいと思っている。 前猟友会長のご努力で東成瀬の狩猟の伝統をしっかりと記録に残しておこうと、DVDも完成しており、こうした伝統文化は今後も記録し、映像、録音などあらゆる手法で保存していくようにしたいと思っている。

過疎と山村の理事会

image image 昨日に引き続き全国山村振興連盟の理事会が開催された。 会長は代々自民党の農林族の有力者がなっており、秋田県の二田元代議士が会長期間もあった。 現在は中谷元防衛大臣がなっている。 山村振興は文字通り全省庁に関わっており、関係省庁から全て来賓として来てくれる、そこでは、それぞれの所管事項を説明して制度の利活 用を期待する挨拶をする。 会長からは、二酸化炭素の吸収源対策としての森林税については、昨年やっと100億円がついたが、経産省と環境省のそれぞれの意向もあって、吸収源対策にはならなかった、今年も、その課題は解決されず、来年度以降に延びてしまった。引き続き努力する旨のあいさつがあった。 代議士は自民党のそれぞれの部会長さんなど3名が出席された。 予算的にもかなり大幅に伸びたようである。 午後には、全国過疎連盟の理事会があった。 この連盟は代々知事が会長になっており、佐々木喜久治秋田県知事がなっていたこともあった。 現在の会長は溝口島根県知事が当たっておる。 理事会の後、どうなる日本経済の行方と題しての講演があった。 総務省からは関地域力創造審議官と山口過疎対策室長が出席してくれた。 審議官からは、地域の活性化なくして日本の発展はないものと考えている、そのため、総務省に「地域の元気創造本部」を立ち上げた。 多様で柔軟な対応、しかも、継続性が重要である。 新たな施策として「自ら考え自ら取り組む」地域の創造力対策に応募が沢山あるそうで、この話は初めて聞いた話であった。 昨日の会議でも情報がタイムリーに届かないのか、あるいはその情報を把握出来ないのか、どこかに課題がありそうだ。 いずれ、山村振興事業であれ過疎対策事業であれ関心をもって常に留意するようにする必要があることを改めて感じた。 こうした、政権交代や政治に変化のある時は特に気を配らなければならないと思う。 講演では、なかなか歯切れのよい景気動向についての話しで、今年の夏頃には景気は上昇するであろうし、世界的にも全体的に大きな変化の兆しが望めるとの話であるものの、物価1%上昇には最低2年は掛かるだろうとのことであった。 消費税も国民全体が負担するための消費に関わって行かなければならないのではないかと感じた。 若いエコノミストで、嶌森さんという新聞などでは盛んと寄稿している方で、大胆な予測をし、しかもそれが当たっておられるようで、今人気のエコノミストであるようでした。 image