(講師の東京大学大学院総合文化研究科・松原隆一郎教授)
今月の魁政経懇話会の講師は松原先生を招聘しての「2017年の日本経済の課題と展望」と題しての講演会であった。
レジメを準備して下さり、これに沿っての話であったが、非常にわかりやすくポイントをしっかりとつかんでの講演はとても興味のある内容でした。
数値を並べるだけではなく、グラフの意味するところやその読み方など理解しやすかった。
特に感じたの、日銀のデフレ対策と現在リフレ派と称される主張や、これに反論している方々の考え方などにずばりと切り込んでの話は、普段あ朝ののラジオ番組でほとんど毎日興味を持って聞いている経済評論家の意見などと重ね合わせて聞くことができ、とても楽しく聴講できたし、ラジオ番組での評論家の考え方なども理解できるものとなった。
現在の経済状況は東京オリンピックの2020年頃までは続くのではないか、トランプ次期大統領の主張はアメリカにとってはごく当たり前のことであってそれが結果としてでたのではないか、日米の利益は背反しているのも極自然ななりゆきであると考えられること。
アベノミクスは個人消費の増大と設備投資を期待したのであるがその方向にはならないで、現在は現在の為替相場と株価高によってその成果(?)がでているのではないか。
後半は、回復のシナリオとして、反一極集中(地方に投資し地方の活性化対策を重視する)、投資は需要のある事業に絞るべきであること、トリクルダウン(したたり落ちる事)は起きっこないのだから、地方は地方で活性化させるべき、移民政策は賃金をの引き下げ要因であり、賃金を上げれば消費者物価も上がる。地方の活性化しつつある事業を、東京に振り向けず地方で育てる、一部選手だけが盛り上がるのではなく、全員がスポーツができるような立国。を提案しつつ、奥さんと一緒に数日前から秋田県に宿泊をしながら、料理、町並み、駅前、居酒屋などを巡って地方の実態を実際に見聞した結果に基づく体験を入れての講演でした。
国土強靱化対策にも触れておられたが、私も県際の道路交通網の整備が遅れていることがそうした経済発展、観光交流の障害にもなっていることから是非意見具申を要望し、考え方などを質問させていただいた。
秋田県もそうした視点で努力をすることによって活路があるものと感じたところでした。