台湾研修の最後の土曜日は午前中に、駆け足で、台湾を支配したオランダ人との戦いで勝利し台湾人に島を開放した先人の功績を祀るお寺、台湾全土にある孔子廟のうちでも最も早いお寺、あるいは博物館などがある、高雄市の少し北にある、台南市を回った。
午後には、高雄市に戻り蓮池譚の景勝地では南国の情緒たっぷりの気候と施設に近代的な施設がミックスした施設などをみて回った。
忙しいながらも、歴史を知り日本の歴史にも触れる機会となった。
お昼は飲茶(ヤムチャ)をごちそうになった。
午前中は、台中の傑農合作農場(農家142戸が参加している農業経営体)で、農協とは是々非々の立場で主に、輸出を促進する団体であり、施設の整備は、国から約1/3の補助と農家の出資、借り入れは農協ではなく、市中銀行からの資金で整備し、運営している。
今後もこの方向でいく。
輸出は伸びている。
作物は果樹(マンゴー、ブドウ、梨)で、農家所得の向上のために設立され、順調であり、代表は秋田には7回以上も来ておられ、竿燈も経験されているとのこと。
日本向けの検査検疫は厳重で安心して買い、食べることが出来る事が確認できたし、その設立趣旨についても、何か複雑な思いがした。
午後からは、高雄市に移動し、高雄農業改良場を視察。
ここは、日本の農業試験場と考えられる施設で、丁寧な説明と具体的な施設の研究成果、目的などを研修させていただいた。
印象的なことは、「農業栽培技術の差先端の研究成果をいち早く、農民に、安全で健康な農作物栽培技術を提供し指導する役割」と断言していることであった。
また、日本人が好んでいる、枝豆の40%は台湾から日本に輸出されていることには参加者も一様に驚いていた。
今回の研修は、台湾の日本に対する考え方、国民意識の友好的で好意的であることに深い感銘を覚えた研修であり、とても意義のある交流研修であった。
台湾は日本と同様、資源に乏しい技術立国、貿易の国である。
それだけに、国をあげて先端産業の育成、誘致、技術者の育成、研究、教育に集中的に取り組んでいることは、既に知っていた。
こうした状況を実際に今回視察研修ができた。
ほんの一部分であろうが、説明を受け、写真もとることができた。
新竹サイエンスパーク(科学生活館)がそれで、約30年前に面積630ヘクタールを国が整備し、企業が立地、一大先端産業地域になった。
これ以前から精華大や交通大学があり、これらから優秀な学生、研究者が勤め、全体の地域には約15万人が住み、土地の貸付やモデル工場を建て、企業に優先権を与える。小中高校を配置、病院を立地、好影響、ゴルフ場を配置、浄水場の整備、発電所の整備、水道の整備、など徹底的な集中整備し、更に、法人税を17%限度、輸入、事業税などの優遇制度導入、更には、企業に補助、奨励金の交付などそれはそれは徹底的な内容であった。
加えて、行政施策として、ワンストップサービスにより国が関わっていた。
こうした中途半端な施策ではなく、 徹底的な施策が現在ある姿であるようだ。
悩みは、給与が10年前とほとんど変わらず、決して優遇はされていないといったことに起因するのか、ヘッドハンティングが激しく、技術者がごっそり100人近くも引き抜かれるといったこともあったとか。
悩みはあるようですし、先端産業は日進月歩に世界であり、厳しい現状でもあるように感じた。
新しい商品開発も見せてもらい、凄いものだなーと感じ入ったしだいでした。
研修の始まる前に、日本で言えば靖国神社に相当する「忠烈祠」を見学、丁度その施設の管理をする軍の衛士の交代式のある時間帯に行き合わせ見学、きびきびした交代式は日本ではみることのないことで、きびきびした儀式は沢山の観光客のカメラの的であった。
ついで、蒋介石総統の記念館「中世記念堂」を視察、台湾の歴史を知る機会であり、日本とのか関わり、中国本土の歴史、更には台湾の日本に対する親日関係、また、明らかにされてないことなどを知る研修になった。
このあと、日本との貿易はに関する現状を研修するために、「微風広場百貨店」でブリーズマーケットで研修、ここでは、日本人の営業部責任者である西川氏から説明と、貴重なアドバイスを頂いた。
わずか一週間位の展示イベント、売り込みをしてもものにならないこと。
ヨダレが出るくらいまで消費者に徹底させなければ、売り込みは成功しない、とのご意見であった。
また、貿易商品は港での決済で終わることを、しっかりと認識しておくべきであること。
このことは、別の機会にも聞いたことがあり納得した。
ここでは、あきたこまちも売られていたし、日本の米も沢山でまわっていた。
しかし、日本人は買わないそうだ、何故か?高いから。
桃一個が2700円もする! トマトも欲しいがなかなか入らない。野菜炒め、果物、キノコなど、かなりの時間説明を受けた。
秋田県からも売り込みには来るが、他県からすると本気度(?)がどうかな?と言葉すくなであった。
とにかく、凄い商戦のなかで勝ち抜くための第一線の活動は自信にみちあふれていた。
このあと、台湾日本人会、台北市日本工商会の局長の山本氏から全体的な台湾の日本に対する考え方をお聞きし、このあとの観光誘客に対する基本的な考え方、現状と方向などについては意見交換した。
かなり密度の濃い研修となった。
夕方になったが、世界四大博物館である、故宮博物院を研学、凄い人であった。
夜にも、台北の夜市にも拘らず足を伸ばしたが、そのエネルギーにはただただ驚くばかりであった。