地域にうずもれているものの活用

秋田新幹線が開業し山形新幹線が新庄まで伸びてから、本線である奥羽本線が完全に脇に寄せられてしまった感じの「山形新幹線大曲延伸推進会議」もどことなく力が入らない気がしてならない。 どうしてなんだろうか? 運動もそれなりの工夫をして計画的に推進してきたことは事実であり、事務局の会長市もいろんな企画をしてくれている。 今回の総会にも、秋田県観光文化スポーツ部の次長も出席してくれたし、県議会副議長、湯沢雄勝、横手市選出県議会議員、国会議員秘書、振興局など多くの来賓が出席してくれた。 総会そのものは問題なく議事が終了し、終わってから研修会があり、講師に秋田内陸線の応援団的存在の「くまのたいら企画代表の、大穂耕一郎氏の講演があった。 氏は、東京都出身で鉄道マニアが高じて高校までは東京文京区であったが大学は秋田大学に入学し、その後は東京での教師生活を経て、退職後は北秋田市に居を移し、先の企画事務所を設立し、鉄道による地域おこしをしている方であった。 「奥羽南線の思いで そしてその40年後の課題」と出しての講演は、鉄道フアンならではの懐かしい数々の写真をたくさん取り入れた、パワーポイント を使っての話で、その中からありふれた光景であっても、鉄道フアンはどこかで関心を示してくれるし、それにいかにして気づくか、そこがポイントなるように 感じた。 今走っている奥羽線の車両は都会型で全くまずい、JRではこれからは「リゾート白神」のような列車を走らせるような方向であり、そうなれば海岸線ばかりでなく内陸線であってもよい素材はあるように 感じた。 現実に、氏は現在秋田内陸線でいろいろな仕掛けをされているようで、観光事業にかかわっている我々としては大いに参考になった。 お話の中で気になったことが一つ。 それは、農村風景の中で、田んぼの畔が「緑や青」ではなく「黄色や茶色」なっていることに幻滅を感じている、特にそれが米どころ新潟で多く見られる ことにショックを受けていること、しかも「有機農業米」と称してJAが盛んに宣伝していることに何か違和感を感じていること、秋田県も除草剤を使っている ことでは東北でも多いほうであるようであるが、救いは電車から見る風景では少ないことに救いがあるように思っているとのことであった。 なるほど、納得である。 確かに、あれは見た目には決してよくありませんが、しかし農家にとっては止むを得ないことなのかもしれません。 最後に次のように述べていた。 目の前に 当たり前にあるもの 見えないところに ひっそりと眠っているものを 活かして使うのは 地域の人たちです