農業と消費者動向

秋田県町村会では毎年1回この時期に、首都圏でご活躍の著名人の方からご講演をいただき、その後意見交換会を行っている。 今年は、農業ジャーナリスト・榊田みどり氏(秋田市出身)から、「食」の動向から農業への問題提起と題して主に、消費者サイドからの農業に対する問題なと を東大在学中から関心を持っていた統計情報と同時に食事と生活習慣の変化など、幅広い分野から確かなジャーナリストとしての目から論評しつつ解説してくだ さり大変参考になった。 パン食の増加、テーターにない弁当・オニギリ類、レトルトパックなど、いわゆる家庭で炊飯しないことによる米の消費が減少の一途を辿っているのが現実であるようだ。 一方、日本の食品産業と農業の関係は、この25年間で前者は37兆円から83兆円に伸び、後者は逆に9兆円から8兆円に減少している。 また、世代によって食動向が大きく変化しており、1ヶ月の米の購入額は、29才以下では843円、70才以上では2933円となっているとのことであった。 さらには、生鮮野菜と果物の購入額では、生鮮野菜で29才以下では月額912円、70才以上では2413円、果物では前者が272円で後者では1752円となっているとのこと。 逆に、冷凍食品と惣菜材料では、前者が409円、後者では165円となっているとのこと。なるほどと思った。納得であった。 注目すべきは、加工・業務需要のうち特に、トマトでは62%が加工需要としてあり、その動向は輸入割合が年々高まりつつある。 特にトマトの輸入シェアは78%に達している。 そういう観点からすると、東成瀬村の人達はそうした野菜などをたっぷりと食べさせていただける。ありがたいことであり、幸せである。 今後の動向としては、人口減少は、胃袋がへることであり、消費も減少していくことになる。 格差の拡大により低所得層の増加、量販店・外食はすでに、店舗過剰・淘汰時代に入った。 そこから、産地の新たな動きとして取材を通じて感じていることに、食の六次産業化、新たな流通の創出(直売所の潜在力)、アジア市場に目を向けること重要であろうが、足元の100万都市を市場として目を向けることもより現実的であるように感じている。 概要は以上であった。 ところで、講師の榊田氏は「家の光」の記者でもあったようで我が村の仙人修行の取材においでになったこともあるとのことであった。20年以上も前であったようで、話しも弾みました。 また、是非ともおいでくださいと申し上げました。