いつもながらのご挨拶
秋田県社会福祉協議会会長の佐々木滿さんのご挨拶は、以前にもこのブログで書き込みしたことがあるが、時代の流れ、日本の流れから世界をも見通した的確な動きを捉えた挨拶で何時も感銘深くお聴きしている。
今回も評議員会があり、出席したが、恐らく高齢とご本人は仰っているが、会長職を退任なさるようで、最後の挨拶であろうと思って感慨深くお聴きした。
人口問題とアベノミクスの関わり、特に第三の矢である「成長戦略」がなかなか進まないのは、経済学者は生産性を重視しているが、氏は、心理的な面からその進行が遅れておるように感じ、それが人口問題特に若者世代の減少にも起因しているのではないだろうかとおっしゃる。
20世紀は若者が増加し、それに伴った仕組み制度がつくられた、1990年代からは、高齢化、少子化が顕著になり日本などの先進国が悩んでいるし、そのフロントランナーは日本である訳です。しかし、その次は、中国が猛烈な高齢化に悩み、続いてインドとなる、つまりアジアの高齢化が進む、そんな中にあって、アメリカは違う、移民の国であり、若者が成功の国として集中する、そのアメリカも、違った大きな悩みがある。人種問題である。
また、福祉に対する考え方も違っておる。世界的な世論調査では、アメリカは負担は少なく福祉水準も低くともよいとされており、オバマ政権とは少し違うようだ。ところが、日本はこれとはまた違って、福祉は高く、負担少なくとなっている。
1980年代、高福祉・高負担で国民は利益配分を受けたが、その利益負担つまり負担分配の方向をしっかりと示す政治家の役割が重要になってくる、と締めくくった。
政治家であり、豊富な経験と知識、卓越した官僚であった佐々木滿さんのお話がこの後聞けないのは残念であるが、一時代を画したすばらしい方のご功績に心から謝意を申し上げたい。
ありがとうございました。
後任は、どうやら県庁OBの方が就任するようだ。