絶妙な連携
(救助隊に配置した「ナビゲーター」、全てのルートが表示される優れもの)
昨日の午後2時過ぎに「須川で遭難者が出た模様」との第一報が入った。
どこから入ったのかを確認したら、湯沢雄勝広域消防本部救急指令センターからとのこと。
この時点では遭難者との連絡が携帯電話で取れているとのことであった。
まもなく警察からも連絡があった。
遭難者は66歳、男性、山形県新庄市、軽装、入山地点は栗駒山荘約2km地点で、午前7時過ぎに入山したとのこと。
3時過ぎには広域消防東成瀬分署から入山したいので案内人がほしいとの相談があり、山岳遭難捜索救助隊の派遣について連絡を取り、3時25分には正式な出動要請を受け出動、現地本部にほぼ1時間で到着、警察・消防16名救助隊名、役場職員2名で本部設置、16時37分には隊員3名の案内で消防職員4名の計7名が入山捜索開始した。
この時点で現地は雨で、視界不良せいぜい10mか30m程度とのこと、県警ヘリも現地まで飛来したが戻って、待機中とのこと。
遭難者とは携帯電話で一時連絡が途絶えたが再度連絡が取れているとのことであった。
17時16分捜索隊が遭難者を発見、接触できた。この間捜索開始から約40分で発見に至ったことに驚いた。
現地は雨で標高1000mを超えており気温も低くすでに暗くなってしまっていたようだ。
17時24分遭難者、捜索隊下山開始したが、遭難者がかなり衰弱し震えているとのことで、救急車の要請をした。
19時29分に本部に遭難者と救助隊が無事救助成功、救急車で病院に搬送というすばらしい連携の救助活動であった。
救助要請から救助隊の編成、現地本部到着まで約1時間、救助隊が入山から遭難者との発見接触まで40分、これから遭難者とともに現地本部まで2時間。
この捜索活動で特筆すべきことがある。
一つは遭難者が携帯電話をもって入山し、119番通報でGPS機能により遭難者の位置が特定できたこと。
さらに、この春から栗駒地域山岳遭難救助対策協議会の事業で「携帯用ハンデイーGPSナビゲーター」を捜索隊用に購入配置したことにより、遭難者の発見救助が特定できるようになったことにある。
それと同時に、救助隊員が指令センターからの位置情報によって、遭難者のいる場所が「あーあそこだ」とその場所を直ちに把握しその場所に急行できたことが今回大事に至らず無事に救助できたことになろうかと感じている。
やはり山に詳しいこうした救助隊員の活躍は今後も多いに力になってほしいし、入山する方は携帯電話などは必ず持参してほしいところです。
山の天候は急変しますし、いかに夏とはいえ、この時期雨になると気温は急降下し寒さで体力は消耗し亡くなられた方もこれまでもたくさんおられます。
十分な対応が必要となることを肝に銘じてほしいものです。
今回は大事に至る一歩手前といった感じで、救助隊の懸命の出動と経験、警察、消防との連携の手際よさ、指令センターの指示の適切さ、ナビゲーターの配置のタイミングなど大いに参考になる事例ではなかったでしょうか。