親思い
米寿を迎えられているような方は、何事にも興味を持ち、集まりにも参加するし、自らも健康を考えて体を動かす運動なども積極的であるように感じている。
更に、ひとり暮らしだと、情報も得るように広報なども丁寧に見てくれているようだ。
ところが、活字が小さいと、読みにくいし、読むこともままならないで困ってしまうという話は時々聞くことがある。
そうしたこともあって、広報「東成瀬」の活字を大きくできないだろうかと提案したところ、先月号から大きくしてくれたようである。
それでも、米寿を迎えられた方々はとても難儀しているようである。
どうしたものかと悩んでいたら、先日訪問した方は、何やらテレビの横にパソコンがある。ところがキーボードもないし、関連する機器もない。はてなんだろうと思って、「ばーちゃん、パソコンやるの」とお聞きしたところ、「これが、新聞や広報、雑誌など読むときのものだ」と言って、手元のスイッチを2回ほど押した。そうしたら一つ目のスイッチは、画面に入れるスイッチ、もう一つは四角いプラスチックに、小さな拡大鏡がセットされたカメラに入るスイッチであった。
その拡大鏡は、ピントが合うようにしっかりとセッテンぐグされており、活字が大きく画面で読めるようになっていた。
その四角いプラスチック製を手で操作をして、自由に活字を読めるようになっていた。
これで何でも読める!という。
これはすごい!と思ってさらに聞くと、「息子が作ってきてくれたのだ」という。
母親と遠く離れて暮らしていて、読みたいものもあるだろと思い、考えて特別に作ってくれたようです。
お仕事もそうした関連の機器関係の製造、保守管理を個人でやっておられるとのことで納得した。
それにしても、遠く離れて親を思い、その不便さを少しでも和らげようとするお気持ちに感動してしまった。
なかなかできるものではありませんよ。
「親思い」の鑑を見た感じを持ちつつ退出した。