高山村の取り組み

日本で最も美しい村の加盟団体の一つである長野県高山村の具体的取組の状況を視察した。 標高350メートルから1500メートルに及ぶ高低差の大きい地域を利用してのワインブドウづくりが最近における大きな産業としてクローズアップされていた。 また、高山村が善光寺平を構成する地域であり、北アルプスを眺望できる上信越国立公園が村内の全体の70%以上を占め、豊富な温泉群、樹齢500年を超えるエドヒガン桜、小林一茶ゆかりの地としての歴史的文化観光資源を有していることなどがこの村の特徴であった。 その一方で、環境保全型農業推進の村として生ごみや家畜たい肥、キノコの廃オガクズなどを活用した肥料生産を農業に活用する取り組みなど私たちが実践しているじぎょうとも相通じるものがあった。 そんな村の中にあって、高度経済成長期に村を一望できる地帯での砕石事業が公共事業として取り組まれ、その採掘後の保全事業が公共事業縮小と同時に進まないまま、緑化されずにむきだしになっており、来年に迫った美しい村連合の再審査にあたって大きな障害になりそうな状況には心の痛む思いであった。 確かに、善光寺平を望む高地の村の地域特性を生かした地域づくりをしてきた村の特徴である風光明媚な地域のその延長線上に北アルプスと、北信五岳など見事な景観と松川渓谷に点在する温泉群、春夏秋冬の自然美にあふれる村にとって、その砕石跡地対策は複雑な思いであまりに目につきやすい存在ではありました。 我々も、こうしたことについては十分な配慮をする必要があると強く感じたところでした。 ワインブドウは全国一の生産量を誇り、高山ワイナリーから生産されるワインはコンクールで連続一位の成果を収めており、歴史は浅いがこれからワインブドウの成熟期に入ってくることから、並々ならぬ自信がブドウ生産農場の場長さんの話しからうかがえた。 ドイツ、イタリア、フランスの気候を全て兼ね備えた善光寺平の気温差はワインブドウの最適地であると自信にあふれた説明に納得すると同時に、高山村出身ではないがすべてを投げ打ってこのブドウ生産に取り組んでいる並々ならぬ取り組みと、その意欲に圧倒されつつ、こうした人材こそが地域おこしの原点であることをあらためて感じたし、村もこれに対し積極的な支援をしておられるようであった。 地域事情は違っても、物事に取り組む積極姿勢の必要性をあらためて強く感じたところでした。