ある講演会で

先月、東京で北東北3県の町村会の合同研修会があった。 7回目ぐらいになるこの研修会は、全国の町村長大会が開かれる機会に、個別に開催していた研修を合同で実施しようということになり開催しているもので、中央の著名な講師をお願いすることができ、好評である。 今回は、ジャーナリストの桜井よしこさんを、今年の当番県である青森県町村会がお願いしてくれたようでした。 私は、これまで確か1回公演をお聞きする機会があったように記憶している。 その時は、独特の優しい話し方ながら、内容はよく覚えていませんが、話し方の割には随分とはっきりとした、鋭い内容での政治批判をされておったように記憶している。 今回は、政治にまつわる話から3・11の大震災対応についての所見を鋭く話してくれた。 中でも、考えさせられたのは、つぎのようなことであった。 「放射線には幅広い意見があるが、政治家は事実を見るべきであり、確認すべきである。現在、人類が持つ科学的事実は広島、長崎、チエルノブイリの疫学的データしかない。国連科学委員会や国際放射線防護委員会は100ミリシーベルト以下の影響に有意性はないと結論づけている」とのことであった。そうした話に続けて、「科学的根拠のない年1ミリシーベルトを、いろんなところから除染の対象、基準にすべきであるとする意見で、確たる根拠もなくそれを基準にして、大量の土砂を積み上げ、その土砂の処分をどうするかも明確にしないまま、新たな問題を自分たちで作り出している。大人は年20ミリシーベルト、子供は10ミリシーベルトまでは大丈夫と、国の責任で言わなければならないのに、政府の責任者はいったい何をしているのだ」、町村長方もこの点をしっかりと考えていただきたい、とのことであった。 確かに、我々は、日常生活の中で放射線を一定程度浴びているようですし、検診やレントゲン検査などではそれぐらいの放射線を浴びているのも事実であるし、年間100ミリシーベルトの数値は優に浴びているとのこと。 先の報告は見たこともないし、聞いたこともないが、これまでの認識からするとかなり違ったものであることだけは確かであった、 ジャーナリストとしての調査と研究から導き出された論評であろうし、被災地の方がたや町村長の方々からすると、釈然としないことであろうと思われるが、事実を事実としてはっきり述べていることだけは確かなんでしょう。 これを聞いて、認識を新たにするよりも、自分自身が、そうした意見をうのみにしてきたことだけは確かであり、事実をもっと掘り下げて研究してkらであないと、簡単には、あれこれ言及することができないような気がしてきたのも事実でした。 随分とはっきりとした意見に、反発もあるだろうが全くひるむことなく、言い切っていた。 この方が、今回は政権での女性閣僚候補に上っておられるとの報道もあり、どうなるのでしょうか? そんな報道があって、急に思い出して感想を書いたところです。