山もこんもり

「山笑う」季節、厳しい降雪に耐えてすっかり葉の落ちた稜線の木々にも新芽が芽吹きだし、厳しい表情の山々もどこかこんもりとしてきた。 自然界も正直なもので、雪が降るとそれなりの表情に変化し、その厳しさに耐えるべく様相をすっかりと整える。 雪に対峙するときは、不要なものは一切除き、風雪に耐えるべくその準備を整える。 その厳しさを乗り越えた今は、喜びに全身を表現するように、それぞれの木々が躍動し、それが山全体に広がり、こんもりとした表情となる。 その麓では、まもなく田んぼの耕起が真っ盛りとなる。 あのいかにも大地を掘り起こしていると言わんばかりの落ち着いた耕起の音が響いてくる。 山里も今が旬である。