農業者の大会

題13回湯沢雄勝農業者大会が開催された。 この会は、コメ余りが指摘され、政府のコメ政策の対応策として減反政策などが強化され、農家経済に大きな打撃を与え、農家が政府政策に対する恒常的な安定的な農業政策を求めて、各政党の代表者による討論会などを開催し、熱い議論を展開し、農家を中心に500名以上も越える参加者のもと、熱い思いを政策に求めての討論会などが発端であった。 その大会などを含めるとおよそ20回をも越える歴史のある農業者の集いでもある。 近年になって、農業政策は次々と変わるという「猫の目行政」に不満が続出する中で、一向に有効な農業政策にはならず、政権交代があってもその政策は改善されなかった。 そうした環境の中にあって、TPP問題が急浮上し、農家にとってはますます将来が見通せなくなってきている。 この大会も、そうした農家の不安な中で郡市の農業委員会、農協、農業団体、行政を中心とした実行委員会を組織しての開催となっている。 内容もコンパクトにまとめられ、講演会、意見発表、大会決議、実行運動など具体的な行動を今後進めていくこととした。 私は、こうした運動は大事であり、内容的にも充実した大会であったと評価したいと思っている。 講演は青森大学教授の見城美枝子氏で、「世界の中の日本の農業」と題しアナウンサーを経てフリーライターとして海外取材56か国を訪問、テレビ、対談、講演など幅広い活動をされている方でした。 農業に関しては全く素人であるものの、4人の子供を持ち主婦として立場からあるいは取材経験をした経験や、都市と農村の関係など率直な意見は大いに参考になるのではなかったかと思っている。 「舌を大事にした食事」は最も求められているし、そのためには安全で安心した食材が大事、なぜ「カップラーメン」が爆発的な商品となったかを例にとり、それは要は「簡単に食べられる」からである。 そうした意味合いからすると「無洗米」というネーミングというか言い方は決して理解されていない、英語でいう「ウオッシュ・ライス」つまり洗ったお米「洗米」でいいのではないかと考えていること。 「洗米」の進めを最近は積極的にしているし、1合単位で売る、できることならそれにおいしい水をつけて売り出す戦略は大事ではないかと提案された。 ここいら辺りは一つのヒントになるのではないだろうか? TPP問題では、「食の自給なくして国の自立なし」との考えを持っているとのことであり、講演の最後には、参議院選挙の二日後には「TPP傘下なんてないよね!」と確認しておかなければならないのではないかと締めくくっておられた。 意見発表では、湯沢市成沢地区 農事組合法人「成友会」代表の高橋敬悦氏が50周年を迎える法人経営について、次世代農業者の呼び込み、農業委託者に喜ばれる法人、受託者としての法人と委託者との持ちつ持たれつの信頼関係のある法人としていくと、力強く述べられていた、また、TPP対策については安心して農業が続けられるような対策であることを望んでおられた。締めくくりとして、人生計画に対する考え方として、「1年計画であれば穀物を植えればよい、10年計画であれば樹木を植えればよい、終生であれば人を育てる」であるとのこと。 実践経営をされている方としての揺るぎない理念と考え方、実直な話し方には感動すら覚えた。 二人目の羽後町新成地区の畜産農家・千葉一輝氏の大学を卒業してすぐに家業の農業を継ぎ、牛の繁殖牛経営に本格的に参入、父親から新築した畜舎を任せられ、一年目にして子牛3頭を肺炎で死亡させ、子牛に対する健康管理の配慮不足の反省など苦難の1,098日を無事に乗り切り、今後に大いに期待できる好青年の発表もまた、爽やかなものでした。 地域の農業、日本の農業はこうした明るい希望と積極姿勢があれば大きな希望があるように感じられた。 大会を終えて、爽やかな緑豊かな初夏の基節のように気持ちがよかった。 何よりも、批判、不満、息苦しさ一杯の大会はやりきれないものですよねー。