NHKの日曜討論をじっくり見た。
政治家が入らない政治討論会、と言っても知事経験者でいずれも総務大臣経験者のお二人、増田、片山両氏が入られていたが、現在は大学教授やシンクタンクで活躍されているところから、政治家ではないといってもよいと思う。
司会も民間放送とは違った、落ち着いた雰囲気での議論でかなりゆったりと聞くことができたし、内容的にも多彩でありながら将来の政治の方向、考え方はいかにあるべきかを示唆してくれるとても参考になったように思えている。
議論内容はおおよそ次のようなものであった。
民主党の言っているマニフエストは実際は党内議論を経て決定されたものではなく、実際選挙運動に入ってから送付された印刷物を各候補が配布した過ぎず、マニフエストとは言えない内容であった。
それに対して、今、それを守らないの守っているのとの議論はおかしな話である。
政権交代によって、日本の政治も二大政党制にやっとなりつつある、これは政治学者や政治家によってとなえられていた一つの道筋であり良い方向であるとの認識であったが、果たしてそうなのかといった議論もなされた。
これには、二大政党制の推進論者である山口北大大学院教授が、まだやっと3年になったばかりで、結論をつけることは無理があるし、大体、制度が定着 するまでは歴史的にも100年は要する話である、とのことに、ええ!と思わず声を出してしまった。確かにそうかもしれませんが、その制度定着までどうする んだろう、その考え方をどうして継続していくんだろうか?
その間にある選挙ではどうした判断をしていけばよいのだろうか。
政治家を含めた指導者層がどのように対応していくのだろうか?
今求められているのは喫緊の課題に対してどう対応するのかが、いま最も求められているように思えるのだがどうだろうか。
そんなに悠長な話ではないように思えるがどうなんだろう。
中には、中選挙区制を含めて具体的に選挙制度にも触れていた。
政権交代によって提唱された「政治主導」が3人の総理大臣によってそれぞれ立ち位置が違い、全く別の方向に進んで行っている。
これは、認識の違いなのかどうなのか。
初めは、地方の声など政府要望を与党の幹事長室に一元化し、かなり厳しい統制を求めて、反響があったが、本来の目的とは違うような、官僚をうまく使うといった観点からするとお門違いの感もしないでもない。
政治主導は考えてみればあえて言うことではなく、ごく当然のことであり、政治と官僚の関係をうまく連携してこそ政治は機能すると思うのであるが、ここいら辺りがどうしても理解できないことであると普段から感じていたことが改めて指摘されたように思えた。
それにしても、現政権は完全にその、政治主導からはかけ離れた、官僚主導であるし、官僚の思いのままであるといわれているのには、政権の基盤がしっかりしていないことの証でもあるようにも思えた。
今回の日曜討論はとても参考になった。
歯に衣を着せぬ発言する若い批評家の発言、二人の知事経験者、経済学者、大学教授の二人の意見もとても参考になった。
こうした討論会はもっとあってほしい。
やたらと、激論をしているようであるが中身の乏しい政治家や評論家、コメンテーターの高声に話し合い、人の発言を無視して話すなど、中身のない討論会は迷惑である。
ショーでしかないように思えてならない。
見なけりゃよいのか。